介護福祉士国家試験の概要・試験内容を解説

介護福祉士国家試験の概要・試験内容を解説【令和5年1月 第35回】

更新日: 2023/09/29

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藤井 寿和

この記事を書いたのは

介護福祉士:藤井 寿和

藤井 寿和(ふじい ひさかず)は20代で介護福祉士やデイサービスの管理者を経験。35歳で独立し合同会社「福祉クリエーションジャパン」の代表となる。 現在、介護業界施設のコンサルタントや介護業界人材の育成・研修をしながら、介護専門メディアの記事執筆や監修も手掛けている。

介護福祉士国家試験の概要・試験内容を解説【令和5年1月 第35回】

介護福祉士国家試験は介護福祉士資格を取得するための試験で、毎年1回実施されます。
2022年度は筆記試験が令和5年(2023年)1月29日(日)、実技試験は令和5年(2023年)3月5日(日)に実施されます。
このページでは過去実施試験の状況も踏まえながら、日程や申込の流れ、内容について解説します。

似た名前のものに社会福祉士国家試験があります。混同しないように注意してください。

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介護福祉士国家試験の受験資格

笑顔の女性介護士と車椅子に座っている高齢女性

介護福祉士国家試験を受験するためには、以下の受験資格を満たす必要があります。これから介護福祉士試験を受験しようとお考えの方は確認してください。

養成施設ルートの場合

●介護福祉士養成施設(2年以上)を卒業(修了)した方
●介護福祉士養成施設(1年以上)を卒業(修了)した方
※詳細は「養成施設ルートで資格取得するには」も参考にしてみてください。

実務経験ルートの場合

●3年以上(従業期間3年以上、従事日数540日以上)介護等の業務に従事し、実務者研修を修了した方
●3年以上(従業期間3年以上、従事日数540日以上)介護等の業務に従事し、介護職員基礎研修と喀痰吸引等研修(第1号研修または第2号研修)を修了した方
※詳細は「実務経験ルートで資格取得するには」も参考にしてみてください。

福祉系高校ルートの場合

●福祉系高校を平成21年度以降に入学し、新カリキュラムを履修して卒業した方
●特例高校(高校:平成21〜25、28〜30年度・専攻科:平成21〜25、28〜31年度に入学)して、卒業日翌日以後に9か月以上(従業期間9ヶ月以上、従事日数135日以上)介護等の業務に従事した方
●福祉系高校を平成20年度以前に入学して、旧カリキュラムを履修して卒業した方
※詳細は「福祉系高校ルートで資格取得するには」も参考にしてみてください。

EPA介護福祉士候補者ルートの場合

●経済連携協定(EPA)であって、3年以上(従業期間3年以上、従事日数540日以上)介護等の業務に従事した方
※詳細は「EPA介護福祉士候補者とは」も参考にしてみてください。

受験資格として認められないケース

以下のケースは受験資格として認められませんので、注意しましょう。

実務経験に該当する「施設・事業」や「職種」ではない場合
実務経験に該当しない「施設・事業」や「職種」での経験は、従業期間3年以上、従事日数540日以上に含まれませんので、注意しましょう。「実務経験の範囲」で事前に確認するようにしましょう。
従事日数(540日以上)は満たしているが、従業期間3年以上(1,095日以上)を満たしていない場合
従事日数、従業期間の両方で必要日数(年数)を満たす必要があります。いずれか一方だけでは、受験資格を得ることができません。

3年以上(従業期間3年以上、従事日数540日以上)介護等の業務に従事しているが、実務者研修を受講していない場合
実務経験ルートで資格取得を目指す場合、3年以上「従事日数(540日以上)、且つ従業期間3年以上(1,095日以上)」介護等の業務に従事していても、実務者研修を受講していなければ基本的に試験を受けることができません。(介護職員基礎研修と喀痰吸引等研修を修了されている方は除く。)実務者研修の資格取得をするようにしましょう。

実務者研修全般について詳しく知りたい方は『実務者研修とは?資格取得方法と合格率などを紹介』のページをご覧下さい。

介護福祉士試験概要【試験日・試験会場】

介護福祉士国家試験日はいつ?試験会場は?

次回の第35回(令和4年度 / 2022年度)介護福祉士国家試験は2023年1月29日(日)に実施されます。

以下に、2022年度(2023年1月実施)の介護福祉士試験の筆記試験、実技試験の情報を紹介します。

試験日・受験場所 一覧表

実施試験 試験日 受験場所
筆記試験 2023年1月29日(日

試験時間
午前の部:
10:00〜11:50

※以下に該当する方は試験時間が異なります。
・弱視等受験者:10:00〜12:25
・点字等受験者:10:00〜12:45
・EPA候補者:10:00〜12:45

午後の部:
13:45〜15:35

※以下に該当する方は試験時間が異なります。
・弱視等受験者:13:45〜16:10
・点字等受験者:13:45〜16:30
・EPA候補者:13:45〜16:30

北海道、青森県、岩手県、宮城県
秋田県、福島県、群馬県、埼玉県
千葉県、東京都、神奈川県、新潟県
石川県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県
京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県
鳥取県、島根県、岡山県、広島県
香川県、愛媛県、高知県、福岡県
長崎県、熊本県、大分県、宮崎県
鹿児島県、沖縄県
※全国35か所で実施
実技試験
※以下のルートで受験選択した場合のみ実施
・福祉系高校卒ルート
・経済連携協定(EPA)ルート
2023年3月5日(日) 東京都、大阪府
合格発表 2023年3月24日(金) 公益財団法人社会福祉振興・試験センターのホームページ上に掲載

介護福祉士国家試験の申し込み手順について

第35回(2023年1月29日(日)実施)介護福祉士国家試験の受験申込手続きを紹介します。
介護福祉士国家試験を受験するためには、受験申込の手続きが必要です。また、申込期日も決まっています。受験予定の方は注意してください。

第35回介護福祉士試験 申し込み手順(2023年1月試験)

「受験の手引」の請求 【請求方法】
●インターネットでの請求
「公益財団法人 社会福祉振興・試験センター」HPで請求可能

●郵便はがきでの請求
送付先:
〒150-0002
東京都渋谷区渋谷1丁目5番6号
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター宛

請求後、必要書類が手元に届くまで数日かかるため、遅くとも受付期間締め切り1週間前までに請求するとよいでしょう。郵便はがきの場合には、速達での請求がおすすめです。

※発送は日本国内に限ります。また、「受験の手引」の請求は1人1部のみとなっています(予備請求は不可)。
受験申込手続き ●郵送による受験申込
【受験申込期間】
令和4年8月10日(水)から9月9日(金)
※当日消印のあるものに限り有効
【提出先】
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター

インターネットによる受験申込
【受験申込期間】
令和4年8月10日(水)から9月9日(金)
※インターネットによる受験申込みは、過去の介護福祉士国家試験で受験票の交付を受けた者であって、受験資格を証する書類を提出した者のみが可能。初めて試験を受けようとする者はインターネットによる受験申込みをすることができない。
受験料 18,380円

お問い合わせ先:
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター
03-3486-7559(国家試験情報専用電話案内)
※上記連絡先にダイヤル後、以下3桁の数字をダイヤルすると、誘導案内無く必要な情報を聞くことができます。

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介護福祉士試験問題の内容は?

第35回試験から出題基準が変更になります

2022年度の第35回試験(2023年1月実施)より、介護福祉士国家試験の出題基準が変更されると発表がありました。

2017年10月に行われた社会保障審議会福祉部福祉人材確保専門委員会の報告書により、制度改正や社会状況を踏まえて、介護福祉士の養成課程において教育内容の見直しを検討すべきだという声が挙がりました。
見直すべき箇所は、「リーダーシップやフォロワーシップ」についてと、「認知症ケアや地域ケア、介護過程の学習内容の学力アップ」についてです。

これを受けて「介護福祉士養成課程における教育内容の見直し」検討チームは以下の内容の見直しを行いました。

@ チームマネジメント能力を養うための教育内容の拡充
A 対象者の生活を地域で支えるための実践力の向上
B 対象者の生活を地域で支えるための実践力の向上
C 認知症ケアの実践力の向上
D 介護と医療の連携を踏まえた実践力の向上

上記の教育内容の見直しを踏まえて、2019年度からは新しい教育内容で介護福祉士養成が始まりました。そして、第35回の試験からは、新しい教育基準に沿った出題基準へと変更になるということです。
特に「人間関係とコミュニケーション」の科目では出題項目が大きく増えており、チーム運営の基本や人材育成など、利用者の方だけでなく、職員や職場での管理者として学ぶべき項目が追加されています。
科目別の詳細な出題基準については、以下のページでご確認いただけます。
令和4年度(第35回試験)から適用する介護福祉士国家試験出題基準(予定版)(公益財団法人 社会福祉振興・試験センター)

介護福祉士 筆記試験の概要と過去問を紹介!

第34回(2022年1月実施)試験の内容を紹介します。参考にしてみてください。
試験問題形式
マークシート方式(五肢択一)、配点は1問1点

合格基準
問題の総得点の60%程度、且つ指定の11科目群全てで得点。

試験科目・問題数
試験科目、問題数を一覧でまとめてみました。また、過去問題も参考にしてみてください。

▽第34回【筆記試験】試験科目と問題数

領域 試験科目 問題数 過去問
(第34回試験)
人間と社会 人間の尊厳と自立 2 試験問題
人間関係とコミュニケーション 2 試験問題
社会の理解 12 試験問題
介護 介護の基本 10 試験問題
コミュニケーション技術 8 試験問題
生活支援技術 26 試験問題
介護過程 8 試験問題
こころとからだのしくみ 発達と老化の理解 8 試験問題
認知症の理解 10 試験問題
障害の理解 10 試験問題
こころとからだのしくみ 12 試験問題
医療的ケア 医療的ケア 5 試験問題
総合問題 12 試験問題
125問

介護福祉士 実技試験の概要と過去問を紹介!

第35回(2023年1月実施)試験で実技試験を受けるケースは福祉系高校卒ルート、経済連携協定(EPA)ルートの方で受験選択した場合のみとなっています。
参考までに、過去の実技試験内容(第26〜28回分)を紹介します。

試験時間
受験者1人につき5分以内で実施。

合格基準
課題の総得点(100点満点)の60%程度が基準。
(課題の難易度により補正される場合もあり)

〇実技試験課題例(第28回):
山田さん(85)は、右上下肢に麻痺があります。移乗は一部介助が必要です。車いすを使用して、全介助で移動しています。 山田さんは、テラスでレクリエーションを終えて、車いすに浅く座っています。 山田さんは、少し疲れたと言って、飲み物を希望しています。 途中にある段差を超えて食堂まで移動してください。そして、椅子に移乗して、飲み物をすすめるまでの介助を行ってください。 山田さんの返事は、「はい」または、うなずくだけです。

〇実技試験課題例(第27回):
青木かおるさん(93歳)は、下肢筋力が低下して杖を使用しています。立ち上がりと歩行に一部介助が必要です。
今、本人は居間で横になっています。
青木さんは「窓の近くにある植木に水をやりたい」と言っています。青木さんが窓の近くまで移動して、いすに座るまでの介護をしてください。
青木さんは右利きです。
青木さんの返事は、「はい」または、うなずくだけです。

〇実技試験課題例(第26回):
遠藤ミツさん(80歳)は、2ヶ月前に視力を失い、生活全般に一部介助を必要としています。
遠藤さんは、食事に行く準備を整え、身だしなみを気にしています。
居室のいすに座っている遠藤さんを食堂まで歩行介助してください。
そして、遠藤さんが食卓について、スプーンを持つまでの介助をしてください。
本日の献立はカレーライスです。
遠藤さんの返事は、「はい」または、うなずくだけです。

介護福祉士国家試験の難易度や合格ラインについて気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。試験の難易度や合格ラインに関するポイントを以下ページにまとめました。こちらも参考にしてみてください。

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介護福祉士試験の合格率はどれくらい?

合格率は約70%

介護福祉士試験の合格率は毎年上下しますが、概ね70%位をキープしています。前回の第34回(令和3年度)の試験の合格率は72.3%でした。
他の国家試験の中には合格率10%を切るような試験もありますので、国家資格の中でも合格率の高い資格だといえます。
これは、受験資格に「実務経験3年以上」とあるのが大きいと思います。介護の知識をある程度熟知した人のみが試験を受けるので、高い高確率をキープしているのではないでしょうか。

とはいえ、先にも紹介した通り、合格するには「問題の総得点の60%程度、且つ指定の11科目群全てで得点。」しなくてはなりません。筆記試験は全部で125点ですので、75点以上取らないと合格することができません。これは少しのミスが命取りになる点数です。
合格率が高いからと油断せずに、しっかりとした対策をして試験に臨みましょう。

過去の詳しい合格率や受験者数の推移などを以下のページにまとめていますので、参考になさってください。

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一発で介護福祉士試験合格を目指すには

介護福祉士筆記試験対策講座の受講がおすすめ!

介護福祉士筆記試験に向けた準備は必要ですよね。履修した内容を復習するのも1つの方法ですが、介護資格系のスクールでは、介護福祉士資格の筆記試験対策講座も開講されています。
受講時間の確保、費用負担などはありますが、介護福祉士 筆記試験の合格率をアップさせたい方にはおすすめです。また、直前の模擬試験対策講座の開講スクールもあります。 以下に介護福祉士受験対策講座をまとめましたので参考にしてください。

〇通信講座費用例

通信講座名 スクール名 期間 価格(税込) 資料請求
介護福祉士受験対策講座
(筆記通信コース)
三幸福祉カレッジ 約2ヶ月 27,500円 資料請求
介護福祉士国家試験対策 ニチイ 約6ヶ月 26,400円 資料請求
介護福祉士講座 ヒューマンアカデミー/通信講座 約3ヶ月 35,000円 資料請求

〇通学講座費用例

通学講座名 スクール名 期間 価格(税込) 資料請求
介護福祉士受験対策講座 三幸福祉カレッジ 約1ヶ月 62,700円 資料請求
介護福祉士国家試験対策(通信+スクーリング) ニチイ 約6ヶ月 37,400円 資料請求
介護福祉士国家試験受験対策講座
(オンライン学習)
藤仁館医療福祉カレッジ 約6ヶ月 128,700円 資料請求
介護福祉士受験対策講座
(全11回)
ケアスクールリエゾン 約5ヶ月 59,400円 資料請求

スクールによって受講料と開講場所も異なりますが、後悔しない納得のいくスクール選びをするためには複数の講座で比較検討し、自分に合った講座選びをしてみてください。また、受講申込をする際には余裕を持って申込むようにしましょう。


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監修者について

藤井寿和

藤井  寿和 Hisakazu Fujii

静岡県西伊豆生まれ。
●合同会社福祉クリエーションジャパン 代表
●介護施設 現場支援コンサルタント
●一般社団法人 日本アクティブコミュニティ協会  公認講師
●介護情報誌「TOWN介護Tokyo」  編集長
●NPO 16歳の仕事塾  社会人講師
●株式会社 是眞  編集長

【保有資格】
●介護福祉士
●ホームヘルパー1級・2級
●レクリエーション介護士1級・2級
●社会福祉主事任用資格
●福祉用具専門相談員
●介護予防運動指導員
●音楽健康福祉士
●音楽レクリエーション指導士3級
●防火管理者
●大型自動車1種免許

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