保育士の仕事は児童福祉施設等で保育や地域の子育て支援で、主な内容は『0歳〜6歳までの乳幼児への保育』といえるでしょう。しかし、子どもを預かって身の回りのお世話をするという単純なものではないのも事実です。
ここでは、具体的な仕事内容や勤務時間と1日のスケジュール、保育士の仕事場、魅力・やりがいなど、保育士の仕事について紐解いていきたいと思います。
保育士の仕事は、乳幼児への食事や睡眠、排せつ、清潔さ、衣類の着脱などがあげられます。一方で、乳幼児の保護者や地域との交流、外部研修への参加など、その他にもやるべき仕事はたくさんあります。ここでは保育園を事例に、対象者別で具体的な仕事内容についてまとめてみました。
▽【保育園の事例】主な保育士の仕事内容まとめ
対象者 | 仕事内容 |
---|---|
乳幼児 | ・基本的生活習慣(食べる、眠る、着替えるなど)を身につけさせる ・保育園での身の回りのお世話をする ・集団生活を通して社会性を身につけさせる ・遊びを通して心身の健やかな成長を手助けする |
保護者 | ・教育などの手助け、アドバイスをする ・園だよりなど配布物の作成 |
その他 | ・地域との交流を深める ・教材などを考える ・施設内の安全点検をする ・イベントや行事の計画立案・実行 ・外部の研修などへの参加 ・看護師、栄養士などさまざまな専門職スタッフとの連携 |
上記以外にも、保育園によって仕事内容の項目は変わってくることもあるでしょう。保育士の仕事は対象者によってもたくさんあり、内容も多岐に渡っていますね。
保育士の勤務時間は勤務先の保育園によっても異なりますが、1日8時間が一般的となっています。また、早朝保育や延長保育を行っている保育園の場合「早番・中番・遅番」でシフトを組みながら勤務時間を決めているケースもあります。
【シフト例】
・早番:7時30分〜16時30分頃まで
・中番:8時30分〜17時30分頃まで
・遅番:9時30分〜園児が帰宅するまで
時期によって、閉園後にお遊戯会などのイベントの準備や保育園だよりを作ったりすることがあります。その分、残業が発生することもあります。休日は基本的に土日祝日で週休2日制を導入している園は多いですが、土曜日や日曜日に保育を行う園もあります。その場合は、平日休みになることもあります。
保育士の1日の仕事スケジュールは、どうなっているのでしょうか。保育園での事例を紹介しますので、これから保育士としてお仕事をされる方は参考にしてみてください。
▽保育園での仕事タイムスケジュール 事例@
時間 | 仕事内容 |
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7:00 | 出勤 園児の出迎え準備、本日の仕事内容確認など |
7:30 | 園児をお出迎え 順次、園児が登園。一人ひとりと挨拶をしながら、顔色や表情を見て健康状態のチェック。様子がおかしい園児には、保育開始後も様子をこまめに確認しながら異変はないか見守る。 |
9:45 | 朝の体操と朝礼 園児と職員全員でホールに集まり、朝の体操を実施。朝礼では、その日気をつけたいことを申し送り。 |
10:00〜11:00 | クラス別保育 クラス(年齢別)に分かれて保育を実施。各クラスには担任・副担任の他、決まった担当をもたない保育士が状況に応じてサポート。年齢や季節に合わせて『歌や手遊び、読み聞かせ、お絵かき、工作、プールなど』のプログラムを行う。 ※運動会や発表会等のイベント前は、運動種目やお遊戯の練習が中心。 |
11:00〜11:30 | 昼食の準備・配膳 給食の配膳などを行い、園児には手洗いなどを促す。 |
11:30〜12:30 | 昼食 園児と同じ給食を食べながら、食事の様子を見守る。箸のもち方、好き嫌いなく食事をすることの大切さを指導。(離乳食を食べる年齢の園児には、離乳食を提供。) ※最近は食物アレルギーのある子どもも多いので、アレルギーを起こす食材が除去された「除去食」がきちんと配膳されているか、異変はないかのチェックも重要。 |
12:30〜13:00 | 昼食の後片付け・お昼寝の準備 食器の後片づけ、布団敷き、園児たちをトイレに行かせる、寝かしつけなど。 |
13:00〜14:00 | 休憩 お昼寝中の園児たちの様子は適宜異変はないかチェックしながら休憩をとる。とはいえ、保育日誌や連絡帳の記載、行事の用意をしたりと事務仕事を進めるケースも多い。 |
14:00〜14:30 | 園児たちの起床 寝起きが悪い園児を起こしたり、布団の片付け。 |
15:00〜15:30 | おやつタイム おやつの準備、食べ終わった後の片付け。 |
16:00 | 帰りの会 絵本の読み聞かせ、帰りのうたを歌う、さようならの挨拶など。 |
16:00〜19:00 | お見送り・掃除・デスクワーク 16:00頃から保護者のお迎えあり。(ピークは17:00〜17:30) 引き渡し時に、その日の子どもの様子を保護者に伝える。同時に、教室の掃除や保育日誌を書いたり、指導計画を立てたり、デスクワークを行う。 |
19:00 | 退勤 遅番の保育士退勤。 |
▽保育園での仕事のタイムスケジュール 事例A
時間 | 仕事内容 |
---|---|
7:00 | 早番保育士出勤 早朝の時間外保育で登園する園児お迎え準備など |
7:15 | 園児のお迎え 早朝の時間外保育の園児たちをお迎え |
8:00 | 通常保育の園児お迎え 通常保育の園児たちをお迎え |
8:30 | 中番保育士出勤 保護者の方や早番保育士から園児たちの体調や変化などを確認。職員による朝礼も実施。 |
9:30 | 朝の会 園児たち全員揃っての朝の会 |
9:50 | 自由遊び 園児たちが自由に遊んでいるなか、危険が無いよう見守り。 |
10:30 | 遅番保育士出勤 早番・中番保育士との情報共有、準備など。 |
11:30 | 食事 お昼の準備(配膳等)をして、園児たちには手洗い・うがいをしてもらう。食事の見守りをしながら、食後は歯磨きも実施。 |
13:00 | お昼寝 布団を敷いたり、パジャマに着替えさせたり。園児が寝た後は、保育日誌や連絡ノートの記入もあり。 |
15:00 | おやつ おやつの準備など |
16:00 | 帰りの会 帰りの会を行いながら、保護者の方が迎えに来たら子供達の情報を伝える。 |
16:30 | 早番保育士退勤(延長保育開始) 早番保育士は退勤。引き続き中番・遅番の保育士は、園児の保護者お迎えまで保育業務や保育日誌記入、明日の準備など |
17:20 | 中番保育士退勤 中番保育士は退勤。遅番の保育士は、園児の保護者お迎えまで保育業務や教室掃除など。 |
19:30 | 遅番保育士退勤 園児達全員のお迎えが終わったら、教室掃除や明日の仕事内容確認、身の回りのチェックなどを行い退勤。 |
保育士の仕事場は、保育園だけではありません。保育士の仕事は児童福祉施設等で保育や地域の子育て支援とされていて、児童福祉施設もたくさんあります。児童福祉施設の種類別に、施設の目的を紹介します。
▽児童福祉施設の種類と各施設の目的
※「児童福祉法 第七条」を参照
施設の種類 | 施設の目的 |
---|---|
助産施設 | 保健上必要があるにもかかわらず、経済的理由により、入院助産を受けることができない妊産婦を入所させて、助産を受けさせることを目的とする施設 |
乳児院 | 乳児(保健上、安定した生活環境の確保その他の理由により特に必要のある場合には、幼児を含む。)を入院させて、これを養育し、あわせて退院した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設 |
母子生活支援施設 | 配偶者のない女子又はこれに準ずる事情にある女子及びその者の監護すべき児童を入所させて、これらの者を保護するとともに、これらの者の自立の促進のためにその生活を支援し、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設 |
保育所 | 日日保護者の委託を受けて、保育に欠けるその乳児又は幼児を保育することを目的とする施設 |
児童厚生施設 | 児童遊園、児童館等児童に健全な遊びを与えて、その健康を増進し、又は情操をゆたかにすることを目的とする施設 |
児童養護施設 | 保護者のない児童(乳児を除く。ただし、安定した生活環境の確保その他の理由により特に必要のある場合には、乳児を含む。以下この条において同じ。)、虐待されている児童その他環境上養護を要する児童を入所させて、これを養護し、あわせて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行うことを目的とする施設 |
知的障害児施設 | 知的障害のある児童を入所させて、これを保護し、又は治療するとともに、独立自活に必要な知識技能を与えることを目的とする施設 |
知的障害児通園施設 | 知的障害のある児童を日々保護者の下から通わせて、これを保護するとともに、独立自活に必要な知識技能を与えることを目的とする施設 |
盲ろうあ児施設 | 盲児(強度の弱視児を含む。)又はろうあ児(強度の難聴児を含む。)を入所させて、これを保護するとともに、独立自活に必要な指導又は援助をすることを目的とする施設 |
肢体不自由児施設 | 肢体不自由のある児童を治療するとともに、独立自活に必要な知識技能を与えることを目的とする施設 |
重症心身障害児施設 | 重度の知的障害及び重度の肢体不自由が重複している児童を入所させて、これを保護するとともに、治療及び日常生活の指導をすることを目的とする施設 |
情緒障害児短期治療施設 | 軽度の情緒障害を有する児童を、短期間、入所させ、又は保護者の下から通わせて、その情緒障害を治し、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設 |
児童自立支援施設 | 不良行為をなし、又はなすおそれのある児童及び家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童を入所させ、又は保護者の下から通わせて、個々の児童の状況に応じて必要な指導を行い、その自立を支援し、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設 |
児童家庭支援センター | 地域の児童の福祉に関する各般の問題につき、児童、母子家庭その他の家庭、地域住民その他からの相談に応じ、必要な助言を行うとともに、第二十六条第一項第二号及び第二十七条第一項第二号の規定による指導を行い、あわせて児童相談所、児童福祉施設等との連絡調整その他厚生労働省令の定める援助を総合的に行うことを目的とする施設 |
保育士としてお仕事をされている方は「子どもたちの笑顔を見た瞬間や成長を実感した時」「子どもたちに先生大好きと言われた時」「保護者の方に感謝された時」など、園児や保護者からもらう感情にやりがいを感じているようです。また「運動会や発表会などが成功した時の達成感」といった自分自身が感じるやりがいもあるようです。保育士は、様々なシーンで子どもの成長を見つけることができたり、子ども達から学ぶ新たな発見もあることでしょう。
子どもが好きな人、人と接することが好きな人、やりがいのある仕事をしてみたい人には、ぴったりな仕事といえるのではないでしょうか。
保育士の仕事で大変なことのひとつは人手不足です。保育士は慢性的な人手不足の状態にあり、保育士ひとりひとりの仕事量が多くなったり、長時間残業が必要になるといった問題があります。また、一人当たりが担当する子どもの数も多くなってしまいがちなので、子ども達それぞれの性格や好みを把握する必要のある保育士にはつらい状況にあります。
二つ目は人間関係です。いまでこそ男性の保育士も増えてきてはいますが、まだまだ女性の数が多い職場です。そのため女性特有の人間関係に悩まされる保育士も少なくありません。また、理不尽なクレームをつけてくる保護者への対応なども保育士のつらい仕事の一つです。
最後に、休みが取りずらいことがあげられます。幼稚園と異なり夏休みや冬休みがなく、休日に運動会やお遊戯会が開かれることもあるため、まとまった休みが取りづらい傾向にあります。
これらの問題は2019年4月から施行された「働き方改革関連法」によって保育士の職場でも改善されつつありますが、まだまだ注意の必要な問題といえるでしょう。
保育士資格が無くても『保育補助』であれば、お仕事をすることは可能です。保育施設において保育士の負担軽減のためにサポートする役目で、保育士不足の現状において求められている人材といえるでしょう。ただし、資格がある保育士のように正職員(正社員)としての雇用はなく、パート・アルバイト勤務となっています。そのため、収入面で難しいと感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。
保育士としてステップアップしていきたい方は、保育士試験で合格し保育士資格取得されることをおすすめします。保育士試験については『保育士試験とは』でも紹介しています。
保育士資格を取得する方法は『試験に合格する』『養成校(専門学校・短大・大学)を卒業する』があります。どちらの方法で目指すかは人それぞれですが、できる限り早く資格取得したい方には『保育士試験で合格して資格取得をする』方をおすすめします。試験に向けてしっかりと学習しなければなりませんが、最短9ヶ月で資格取得することも不可能ではありません。
詳しくは『保育士になるには』でも紹介していますので、是非参考にしてみてください。一発で保育士試験に合格したい方向けに、受験対策講座を開講しているスクールをまとめてみました。比較検討の際に活用してみてください。
▽保育士受験対策講座 開講スクール一覧
学校名 / 講座名 | 受講料 | 資料請求 |
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42,000円 | 【資料請求】 |
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