どんな資格?介護予防運動指導員

介護予防運動指導員とは

更新日: 2023/07/21

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藤井 寿和

この記事を書いたのは

介護福祉士:藤井 寿和

藤井 寿和(ふじい ひさかず)は20代で介護福祉士やデイサービスの管理者を経験。35歳で独立し合同会社「福祉クリエーションジャパン」の代表となる。 現在、介護業界施設のコンサルタントや介護業界人材の育成・研修をしながら、介護専門メディアの記事執筆や監修も手掛けている。

介護予防運動指導員とは、高齢者のための筋力向上トレーニングや食事の指導を通して、寝たきりや要介護状態の予防、生活の質の向上などのサポートを行う専門家です。

ここでは、介護予防運動指導員の概要や資格の取り方、資格を取得するメリットなどについて解説していきます。

また、介護予防運動指導員養成研修を受けられるスクールもご紹介しますので、資格取得を検討している方は参考にしてください。

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介護予防運動指導員とは

ベンチに座った女性介護士と高齢女性

高齢者の自立支援の専門家

介護予防運動指導員とは、高齢者のための筋力向上トレーニングをはじめとした介護予防プログラムの作成や運動指導により、高齢者が自立した生活を送れるように適切なサポートを行う専門家です。地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センターが資格認定を行っており、指定の研修を受講することで介護予防運動指導員の資格を取得できます。

介護予防運動指導員の提供サービス内容

お客様一人ひとりに合わせた介護予防のプログラムを立案し、軽運動・筋力向上トレーニングなどの指導を行うのが介護予防運動指導員の主な仕事です。必要に応じて、他の医療・福祉専門職との連携を図ることもあります。また、介護予防プログラムの効果を客観的に示すため事前評価・事後評価なども行います。

介護予防運動指導員になるには

介護予防運動指導員養成研修を受講する

介護予防運動指導員になるには、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターが指定するスクールへ通い、介護予防運動指導員養成研修を修了する必要があります

介護予防運動指導員養成研修には受講対象者の制限があり、ホームヘルパー2級・初任者研修修了者で2年以上の実務経験がある方、実務者研修修了者の方など、介護関連の資格をお持ちの方や医療関連の国家資格などをお持ちの方のみが研修を受講できます。

下記に介護予防運動指導員養成研修の受講対象者の一覧を掲載しますので参考にしてください。

【介護予防運動指導員養成研修の受講対象者】
・ホームヘルパー2級・初任者研修修了者で2年以上の実務経験がある方
・介護職員基礎研修課程修了者・実務者研修修了者
・介護支援専門員の資格をお持ちの方
・健康運動指導士等の資格をお持ちの方
・医療分野などの国家資格をお持ちの方
(対象:医師、歯科医師、保健師、助産師、看護師、准看護師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士、介護福祉士、歯科衛生士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士)
・上記国家資格の養成校を卒業見込みかつ資格取得見込みの方(国家試験受験者)

修了試験に合格する

介護予防運動指導員養成研修の最後には修了試験があります。

難易度はそれほど高くなく、講習の内容をきちんと理解できていれば合格できるレベルだといわれています。

修了試験が不合格の場合でも、初回の受験日より1年以内であれば再受験ができます。

3年ごとに更新が必要

介護予防運動指導員養成研修の資格は、3年ごとに更新が必要です。

登録している住所へ「登録更新申請書」が届くので、期日までに申請書の送付と更新料の払い込みを済ませましょう。

受講可能スクール 受講料と開講拠点

講義をする女性講師

介護予防運動指導員養成研修を受講可能なスクールをまとめてみましたので、参考にしてみてください。

学校名 受講料 開講拠点 資料請求
藤仁館医療福祉カレッジ 96,800円 東京/埼玉/群馬 資料請求
東京療術学院 200,200円 東京 資料請求
介護福祉カレッジ・アシスタンス 66,000円 神奈川 資料請求
ケアスクールリエゾン 74,250円 京都 資料請求
鳥取市医療看護専門学校 835,000円 鳥取 資料請求

介護予防運動指導員養成講座のカリキュラム

介護予防運動指導員養成研修では、高齢者のための筋力向上トレーニングのノウハウや転倒予防・失禁予防・栄養改善・口腔機能向上・認知症予防など、高齢者の健康維持と介護の予防につながる知識・スキルを多角的に学べるようになっています。

研修は全31.5時間で、そのうち1/3程度が筋力向上トレーニングの実習です。研修は全3日間程度で修了することができます。

■介護予防運動指導員養成講座 カリキュラム
(研修科目と時間数)

講義 項目 時間数
介護予防概論(高齢化社会における介護予防の必要性と社会的意義) 0.75時間
介護予防評価学(包括的介護予防健診の理論と実際) 講義1.5時間+実習1.5時間
介護予防統計学(データベース構築と個人情報管理) 1.5時間
行動科学 特論(行動科学の理論と行動変容のメカニズム) 1.5時間
リスクマネジメント(リスク予防と顕在化した後の対応) 1.5時間
高齢者筋力向上トレーニング 特論(虚弱高齢者の理解と高齢者筋トレの実際) 講義1.5時間+実習10.5時間
転倒予防 特論(転倒・骨折の理解と転倒予防の方法論) 講義1.5時間+プログラム実習1.5時間
失禁予防 特論(失禁の理解と失禁予防の方法論) 講義1.5時間+プログラム実習1.5時間
高齢者の栄養改善活動 特論(高齢者の栄養改善活動の理解と方法論) 1.5時間
口腔機能向上 特論(口腔機能向上の方法論) 1.5時間
認知症予防 特論(認知症の理解と認知症予防の方法論) 講義1.5時間
うつ・閉じこもり 特論(高齢者のうつに対する理解と早期発見・予防プログラム) 0.75時間

※合計 31.5時間

介護予防運動指導員を取得するメリット

ベンチに座った女性介護士と高齢女性

給料のアップが見込める

介護予防運動指導員の資格に資格手当を支給している施設や事業所が多くあります。そのため、資格を取得することで給料アップが見込めるでしょう。

また、専門的知識があることの証明になるため、より待遇の良い職場へ転職する際にも役立ちます

夜勤や残業が少ない

基本的に介護の仕事には夜勤がつきものです。しかし、介護予防運動指導員は高齢者の方に指導をするという仕事内容のため、夜勤がありません。また、残業もほぼないのが特徴です。

そのため、日中のみで働きたい方は特に取得する意義があるでしょう。

今後も需要の高さに期待できる

超高齢化社会が進んでいる日本では、介護予防運動指導員のニーズは年々高まっています

介護予防運動指導員の職場は病院やリハビリセンターなどの医療機関だけではなく、老人ホームやスポーツセンター、ジムなどでも需要があります。職場の選択肢が多い分、人手が足りない状況が続いているため、今後も需要が高まるでしょう。

【都道府県別】介護予防運動指導員のスクールを一覧で紹介!

まとめ

外出する高齢者を支える女性介護士

介護予防運動指導員は筋力向上トレーニングや栄養管理の指導により、高齢者が自立した生活を送れるように適切なサポートを行う専門家です。

地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターが指定するスクールへ通い、介護予防運動指導員養成研修を修了、試験に合格することで資格を取得できます。

3日程度の研修で取得できるので、キャリアアップをしたい方や仕事の幅を広げたい方におすすめの資格です。

監修者について

藤井寿和

藤井  寿和 Hisakazu Fujii

静岡県西伊豆生まれ。
●合同会社福祉クリエーションジャパン 代表
●介護施設 現場支援コンサルタント
●一般社団法人 日本アクティブコミュニティ協会  公認講師
●介護情報誌「TOWN介護Tokyo」  編集長
●NPO 16歳の仕事塾  社会人講師
●株式会社 是眞  編集長

【保有資格】
●介護福祉士
●ホームヘルパー1級・2級
●レクリエーション介護士1級・2級
●社会福祉主事任用資格
●福祉用具専門相談員
●介護予防運動指導員
●音楽健康福祉士
●音楽レクリエーション指導士3級
●防火管理者
●大型自動車1種免許

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