2022年2月6日に第34回社会福祉士試験が実施されました。
受験者数は34,563名で、うち10,742名が合格しており、合格率は31.3%となっています。
社会福祉士の合格率は、受験する年によって差があります。
過去3年間の合格率、受験者数、合格者数の推移を見てみましょう。
※参照元:厚生労働省
第34回を受験された方の書き込みを見ると『昨年よりも文章が難しくなっていた』『他分野に跨る知識が求められる問題が多かった』など思っていたより難しかったという意見も多くみられました。
しっかりと問題を読んで引っかからずに点数が獲れる準備をして、余裕を持って受験することが大切です。
社会福祉士の資格は、福祉系国家資格の中では最も難易度が高いと言われています。
合格率が低い理由には、以下の5つが考えられます。
社会福祉士に必要な能力は多岐にわたるため、試験は幅広い分野から出題されます。
出題科目は18科目もあり、福祉系資格のなかで最も多い科目数となっています。
他資格と比較すると、介護福祉士が11科目、精神保健士は16科目なので、社会福祉士試験の科目数が多さがわかるでしょう。
社会福祉士試験の合格基準は厳しく、総得点の約60%以上正答する必要があります。150点満点満点中90点以上を正解する必要があるため、難易度が高い試験といえるでしょう。
合格基準は毎年の試験難易度によって毎年調整され、第34回(令和3年度)試験では「150点中105点」が合格基準点という高基準でした。
社会福祉試験が難しいのは、すべての科目で得点を取らなければ不合格になってしまうという点です。
18科目のなかで苦手分野があった場合、合格が難しくなってしまいます。
社会福祉試験をこれから受ける方は、苦手科目を作らないように意識して学習を進めましょう。
社会福祉士試験は問題数が150問近くあるので、マークシートへの回答がずれる可能性もあります。
また、体調不良や緊張によって集中できずに、膨大な問題を解ききれないこともあるでしょう。
日頃の体調管理に気を配り、学習時にはマークシートに慣れておくとよいでしょう。
科目数の多いことから、十分な勉強時間が確保できないことで合格できない方も多くいます。
社会福祉士試験の合格には、およそ300時間の勉強が必要とされています。
社会人の人が仕事終わりに勉強をして、1日1時間勉強したとしても1年弱はかかる計算となります。長期間にわたる学習を続けるのが難しいことも、難易度が高い要因と言えます。
精神保健福祉士の合格率は60%程度と社会福祉士(31.1%)よりも高くなっています。
出題範囲も、精神保健福祉士は『精神医学、精神保健学』など精神保健福祉に特化していて社会福祉士よりも狭くなっています。
以上より、精神保健福祉士の方が対策しやすいと感じるかもしれませんね。
しかし、社会福祉士試験は240分で1日で終了しますが、精神保健福祉士試験は275分で2日必要となります。
また、会場も社会福祉士試験の方が多く、お住いの地域によっては、精神保健福祉士の方が受験しづらいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
介護福祉士の合格率は60%から70%で、出題範囲も主に介護関連の内容に限られています。社会福祉士の方が福祉関係全般と出題範囲は広いため、勉強する大変さでいえば資格取得の難しいかもしれません。
また、試験時間は社会福祉士が240分に対して、介護福祉士は220分です。当日は集中力を持続しなければならない難しさもありますね。
合格率はケアマネジャーが20%程度、社会福祉士が30%弱です。試験時間を比較すると、ケアマネジャーが120分に対して社会福祉士では240分です。合格率で比べた場合には、社会福祉士の方が取得しやすいかもしれません。
尚、ケアマネジャーは国家資格ではありません。
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社会福祉士の講座を資料請求(無料)2022年度の社会福祉士国家試験の男女別の合格率は下記の通りです。
男性:合格人数3,272人(30.5%)
女性:合格人数7,470人(69.5%)
昨年度の試験では男性が32.8%、女性が67.2%の割合だったので、女性の合格者割合が増加しています。
福祉系大学等卒業者:6,124人(57.0%)
養成施設卒業者4,618人(43.0%)
30歳以下 :5,173人(48.2%)
31歳〜40歳:1,811人(16.9%)
41歳〜50歳:2,152人(20.0%)
51歳〜60歳:1,282人(11.9%)
61歳以上 : 324人 (3.0%)
第34回と第33回で比較した場合、受験者が724人程減り、合格者は409人程増加しています。合格率は昨年度よりも1.8%増加しました。
今回の合格基準は『総得点150点に対し、得点93点以上の者』で、難易度の補正によって前回から+12点の105点が合格基準となりました。
ちなみに前回は、『総得点150点に対し、得点93点以上の者』でした。
社会福祉士国家試験の受験資格を取得するには、「福祉系大学・短大を卒業する」「社会福祉士短期養成施設等を卒業する」「社会福祉士一般養成施設等を卒業する」の3つのルートがあります。
ここでは、福祉系大学等ルートの合格率ランキングを紹介するので、参考にして下さい。
なお、合格率には既卒者(前年度までの卒業者)も含みます。
大学名 | 合格率 | |
---|---|---|
1位 | 筑波大学 | 100% |
2位 | 大阪市立大学 | 94.1% |
3位 | 大分大学 | 88.6% |
4位 | 愛知教育大学 | 85.0% |
4位 | 新潟県立大学 | 85.0% |
なお、社会福祉士の資格取得ルートについて詳しくは以下の記事で紹介しているので、どのルートで目指すか検討中の方はぜひ参考にしてください。
社会福祉士になるには?受験資格や最短での資格取得ルートについて解説!
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◎第34回 筆記試験の合格基準
合格するには2つの条件を満たす必要があります。
1 総得点150点に対し、得点105点以上
2
「18科目群」すべてで最低1問は正解すること
全150問(1問1点)
〇合格基準点
実施時期 | 合格基準点 / 総得点 |
---|---|
第34回 令和3年度(2022年2月6日) | 105点 / 150点 |
第33回 令和2年度(2021年2月7日) | 93点 / 150点 |
第32回 令和元年度(2020年2月2日) | 88点 / 150点 |
第31回 平成30年度(2019年2月3日) | 89点 / 150点 |
第30回 平成29年度(2018年2月4日) | 99点 / 150点 |
第29回 平成28年度(2017年1月29日) | 86点 / 150点 |
合格基準点は『総得点の60%程度とし、問題の難易度によって補正される』とされていますが、第34回では105点でした。
総得点の60%は90点となりますので、+15点分の調整がされたことになります。
難易度によって十分補正される可能性もありますので、総得点の60%である90点は最低でも獲れるよう準備しておく必要がありますね。
社会福祉士試験で合格するためには、満点を取る必要はありません。合格基準である『総得点150点に対し60%程度の正答(難易度により補正される)、18科目群すべてで最低1問は正解』をクリアすればよいのです。
どの科目でもまんべんなく点数を獲れるよう、時間内にすべての問題を解けるよう時間配分も大切ですね。解答に時間がかかる場合は、後回しにして次の問題に取り組むとよいでしょう。1問の解答時間目安は約1分30秒です。
その対策として、試験と同じ時間(240分)で過去問を解いてみるとよいでしょう。
ただし、本番を想定して集中できる環境を整えるのは意外と大変ですよね。そんな方には、学校が実施している模擬試験を受けることをおすすめします。
学校によっては、受験対策講座に模擬試験が含まれている場合もあります。詳細はパンフレットなどでも確認してみてください。
受験する方は十分な準備をして、合格を目指して頑張ってください。
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社会福祉士の講座を資料請求(無料)第35回社会福祉士国家試験は、2023年2月5日に実施予定です。
試験を受験する際には申し込み期間内に忘れず申し込むようにしましょう。
申込期間や試験地、合格発表日については以下の記事で紹介しているので、ぜひチェックしておいてください。
社会福祉士試験とは?第35回試験概要・受験申し込みまでの手順を紹介
北海道千歳市生まれ
東京福祉大学社会福祉学部准教授。博士(社会福祉学)
専門:ソーシャルワーク、若者早期支援、プログラム評価(参加型評価)
福祉施設において介護業務、相談業務に従事。大原学園介護福祉士養成施設専任教員、旭川大学保健福祉学部コミュニティ福祉学科准教授を経て、現在に至る。
保有資格
著書
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