ケアマネジャー(介護支援専門員)試験の難易度と合格率

ケアマネジャー(介護支援専門員)試験の難易度と合格率

更新日: 2023/03/10

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田中 健

この記事を監修したのは

ケアマネ:田中 健

はじめに

第23回ケアマネ試験の結果が公表されました。
本記事では2022年10月に実施された第25回の試験結果を中心に、下記項目について解説しています。

>>『ケアマネジャー(介護支援専門員)とは?』

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ケアマネジャーの試験の合格率

ケアマネジャー試験の正式名称は「介護支援専門員実務研修受講試験」です。

受験するには、指定された業務で「5年以上かつ、日数が900日以上」の勤務経験が求められています。

直近の合格率は10〜20%前後となっており、受ければ誰でも受かるような試験ではなく難易度の高い試験と言えるでしょう。

>>『ケアマネジャー(介護支援専門員)試験の概要』

第25回(2022年)ケアマネジャー試験合格率と過去の合格率の推移

2022年12月2日(金)に、第25回 介護支援専門員実務講習受験試験(ケアマネジャー筆記試験)の合格発表が行われました

第24回と比べ、受験者数は増えましたが、合格率はダウンしています。
合格率、受験者数、合格者数の推移をまとめてみましたのでご参考にしてください。

〇ケアマネ試験 合格率と受験者・合格者数推移
※全国の合計数値

実施時期 合格率 受験者数 合格者数
第25回 令和4年度 (2022年10月9日) 19.0% 54,406人 10,328人
第24回 令和3年度 (2021年10月10日) 23.3% 54,290人 12,662人
第23回 令和2年度 (2020年10月11日) 17.7% 46,415人 8,200人
第22回 令和元年度 (2019年10月13日) 19.5% 41,049人 8,018人
第21回 平成30年度 (2018年10月14日) 10.1% 49,332人 4,990人

(参考:介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況等

第24回の試験に比べ、第25回の試験では、受験者数は116人増加しましたが、合格率は19.0%と前回の23.3.%から4.3%ダウンしています。

ケアマネ試験 合格ライン(合格点)

ケアマネ試験は各分野ごとに、その年の合格基準点を満たさなければなりません。合格基準点は正答率70%つまり10問中7問正解することが目安となり、その年の問題の難易度によって補正があります。

〇分野別 合格基準点
「介護支援分野」総得点25点
「保健医療福祉サービス分野」総得点35点
計60点満点 1問1点

実施時期 介護支援分野 保健医療福祉
サービス分野
第25回
(2022年10月9日)
18点 26点
第24回
(2021年10月10日)
14点 25点
第23回
(2020年10月11日)
13点 22点
第22回
(2019年10月13日)
15点 24点
第21回
(2018年10月14日)
13点 22点
第20回
(2017年10月8日)
15点 23点

分野別 基準点数増減の内訳(前年比)
介護支援分野-2点、保健医療福祉サービス分野-2点

各分野での正答率70%を基準とされていますが、『何点取れば合格』と決まった合格ラインがあるわけではなく、試験が実施される年によって変動するものであると考えておく必要があります。また、介護支援分野で合格基準に達していても保健医療福祉サービス分野で達せず、不合格なんてことがないように注意が必要ですね。

都道府県別でケアマネ合格率が高いのは?合格者数ランキング

第1回~25回までの都道府県別の合格者数トップ3を紹介します。

1位:東京都 64,906人
2位:大阪府 55,599人
3位:神奈川県 42,605人

以下は都道府県別の合格者数ワースト3です。

1位:鳥取県 4,366人
2位:山梨県 5,010人
3位:佐賀県 5,449人

ケアマネ試験とは?

ケアマネジャー(介護支援専門員)試験の試験内容

ケアマネジャー試験は「介護支援分野」「保健医療福祉サービス分野」の2つの分野から出題されます。

介護支援分野は25問、保健医療福祉サービス分野は基礎が15問、総合が5問、福祉サービスの知識等が15問で、試験の問題数は合計で60問です。

ケアマネージャー(介護支援専門員)とは?

ケアマネジャーとは、介護保険制度に基づいてケアマネジメントを行う仕事です。

「介護保険法」に規定された専門職で、居宅介護支援事業所や介護保険施設に必置とされている職種で、一般にケアマネジャー(略してケアマネ)と呼ばれています。

ケアマネ試験の合格率はなぜ低いの?

受験資格が厳しくなった

ケアマネ試験は2015年に、基礎資格による試験問題の免除が廃止され、全ての受験者が同じ数の問題を解答する内容に統一されました。

以前は、介護福祉士の資格保有者が受験する場合、介護支援分野の問題は免除されていました。
この免除制度がなくなったことで、受験者の学習負担も増えていると考えられます。

また、受験資格が有資格者のみとなったことで、受験者が減ったことも合格者数の減少に繋がっています。

ケアマネの受験者数は、2014年は約17万人で合格率が19.2%でしたが、2018年の受験者は約5万人まで減少しており、合格率も10.1%まで下がっています。(参考:介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況等|厚生労働省

試験勉強の時間が足りていない

ケアマネ試験は、多くの受験者が働きながら独学で学習しています。
仕事の合い間に勉強して受験するケースが多いため、十分な勉強時間を確保するのは難しいと言えるでしょう。

勉強時間の不足が、ケアマネ試験の合格率が低くなる要因として考えられます。

ケアマネジャー(介護支援専門員)2018年以降の受験資格

2018年以降の試験から適用される新制度では、以下の業務の通算年数が5年以上必要です。

国家資格等に基づく業務に従事する人

以下のいずれかの資格を保有し、業務の実務経験が通算5年以上、従事した日数が900日以上であれば受験資格を得られます。

【該当資格】
医師,歯科医師,薬剤師,保健師,助産師,看護師,准看護師,理学療法士,作業療法士,社会福祉士,介護福祉士,視能訓練士,義肢装具士,歯科衛生士,言語聴覚士,あん摩マッサージ指圧師,はり師,きゅう師,柔道整復師,栄養士,管理栄養士,精神保健福祉士

相談援助業務に従事する人

以下の相談援助業務に従事する人で、業務に従事している期間が通算5年以上、かつ業務に携わった期間が通算900日以上ある人もケアマネ試験の受験資格があります。

  • ・ 生活相談員

  • ・ 支援相談員

  • ・ 相談支援専門員

  • ・ 主任相談支援員

ケアマネ試験に1回で合格する人の特徴

より得点源を確実に正解している

ケアマネ試験は実施年度によって多少の違いはあるものの、合格基準が決められています。そのため、合格するためには得点源となる問題を確実に正解できるかどうかが重要となります。また、今回の試験では正答に迷う問題もあったということを考えれば、用語をしっかりと理解する、問題文を正確に読み解く力も求められるといえるでしょう。

試験までの目標の立て方がうまい

独学で進めようと考えている方は、過去問題で1ヶ月後に何点獲るなどの目標を立てると良いでしょう。いきなり合格ラインは難しいと思いますので、1ヶ月後は介護支援分野で10点、保健医療福祉サービス分野で15点など無理のない目標を立ててみましょう。1週間単位で細かく立てるのもモチベーション維持につながるかもしれませんね。

また、時間が経てばどうしてもモチベーションは下がり気味になりがちですが、そんな時はケアマネ資格取得の目的や将来像などを思い起こし、原点に立ち返ることも大切です。期待が膨らめば、気持ちも新たに学習できるのではないでしょうか。

毎年、問題集が発行されています。次の第26回試験(2023年10月実施予定)を受ける際には、最新の2023年度版テキストを使うようにしましょう。

最新版のテキスト情報は『ケアマネ 試験勉強方法別での費用比較|過去問・テキスト・通信講座』で紹介していますので、参考にしてみてください。

試験で点数を稼ぐコツを知っている

ケアマネ試験は、五肢複択方式で60問出題され、試験時間120分です。
1問2分程度の解答時間はありますが、時間がかかってしまい60問全てに解答できなかったなんてことは避けたいですよね。そこで、試験で点数を稼ぐ上でのポイントを紹介します。

・難問(解答に困った時)は後回しにする
・明らかに正解ではないと思うものは選択しから外す

※特に、"介護支援分野"は毎年難易度が高く得点しづらい傾向があるようです。

※監修者 ケアマネジャー田中さんのお話

田中 健

自身で解答ルールを作っておくと凡ミスを減らすことができるのではないでしょうか。私は、まず、どういう選択肢を選べばいいか問われている部分に〇をつけ、次にいくつ選択しなければならないか問われている部分に〇をつけ、選択肢を先に読んで、問題文を読むスタイルでした。

解答時間短縮と正解率アップの方法としておさえておきたいですね。試験時間は限られていますので、このようなちょっとした工夫も試験合格に近づく大切なポイントだと思います。
解答に悩んだ際には一度気持ちを落ち着かせる意味でも1問にどのくらいかかっているか振り返ってみても良いかもしれません。解答ペースの見直しも案外重要ですよ。

【令和5年10月ケアマネ試験向け】ケアマネ試験対策の通信・通学講座

第26回(令和5年度)に向けての試験対策講座も開講しておりますので参考にしてください。
通信か通学かでお悩みの方には、個人的には通信講座の利用をお勧めします。通信講座だと独学とあまり変わらないじゃないか、と思いがちですが、一番の違いはスケジュールの組み立てだと思います。なぜ独学で勉強が進まないかというと、場当たり的に学習したりしなかったりと、計画的に進められていない可能性があります。
スケジュールを立てるのは意外と大変で、それだけで疲れてしまいます。通信講座であればそこが事前に組まれているので、自分は学習だけに専念できます。

〇通信講座費用例

通信講座名 スクール名 期間 価格(税込) 資料請求
ケアマネジャー合格講座 たのまな ヒューマンアカデミー 約3ヶ月 49,500円 資料請求
ケアマネジャー受験対策パーフェクトゼミ ニチイ 約6ヶ月 34,783円 資料請求
ケアマネジャー受験対策講座 通信コース 三幸福祉カレッジ 約2ヶ月 27,500円 資料請求

通学講座は参考書や通信講座に比べると費用は高くなります。特に自己学習が苦手な方には通学講座をおすすめします。仲間がいると、モチベーションを保ちやすい、情報交換ができる、いい刺激受けられる、といったメリットがあります。開講日、授業日数はスクールや講座によって様々です。開講日とご自身のスケジュールが合うのかは事前に確認してください。

〇通学講座費用例

通学講座名 スクール名 期間 価格(税込) 資料請求
ケアマネジャー受験対策パーフェクトゼミ ニチイ 約4ヶ月 70,125円 資料請求
ケアマネジャー完全マスターコース 三幸福祉カレッジ 11日間 165,000円 資料請求
ケアマネ合格力講座 (大阪) 日本キャリアパスアカデミー 約6ヶ月 70,400円
※入学金・教材費込み
資料請求

ケアマネ試験に落ちたときの対策

落ちた原因を分析する

ケアマネ試験は「介護支援分野」が25問、「保健医療福祉サービス分野」が35問の計60問で出題され、各分野の正答率が70%を越えることで合格が見えてきます。

まずは試験の自己採点をしてみて、不正解が多い科目を確認してみましょう。
不正解が多い科目から苦手分野を発見し、来年の試験に向けてその科目を中心に勉強することで点数アップに繋がります。苦手分野を見つけたらその分野を総復習し、何度も繰り返し解くようにしてください。

満点を取らなくても良いと考える

今年の試験で不合格だった人は、早めに試験勉強をスタートしましょう。
長期間にわたって勉強を積み重ねることで知識の基盤ができるので、少しでも長く問題に触れておくことが大切です。

また、早いうちから受験勉強を始めれば、1日30分の受験勉強でも学習時間が十分確保できるので、仕事が多忙な人でも合格に近づくことができるでしょう。

ケアマネ資格保有者が働く職場

居宅介護支援事業所|居宅ケアマネ

居宅介護支援事業所で働くケアマネジャーは、「居宅ケアマネ」と呼ばれています。自宅で暮らす利用者のへの訪問介護の依頼やケアプラン作成、日帰りで介護施設に通う利用者への施設紹介などを行います。

特別養護老人ホームなどの介護施設|施設ケアマネ

特別養護老人ホームなどの介護施設で働くケアマネジャーは、「施設ケアマネ」と呼ばれており、入所者のケアプラン作成が主な仕事内容です。

他にも、利用者の送迎やレクリエーションへの参加などの業務を受け持つこともあります。施設ケアマネは、ケアマネ業務以外の仕事も積極的に取り組める人に向いています。

ケアマネ試験に関するよくある質問

介護福祉士とケアマネ試験はどっちが難しい?

ケアマネと介護福祉士の試験難易度について、試験問題、合格率、受験資格で比較してみました。

資格名 試験問題 合格率 受験資格
ケアマネ 60問
マークシートによる五肢複択方式試験時間120分
10〜20% ケアマネの受験資格以下の1〜5を通算して従業期間が5年以上、かつ当該業務に従事した日数が900日以上であること
1.法定資格保有者
2.生活相談員
3.支援相談員
4.相談支援専門員
5.主任相談支援員
介護福祉士 125問(筆記試験)
マークシートによる五肢択一方式試験時間220分
60% 実務経験ルートの受験資格条件
従業期間が3年(1,095日)以上、かつ従事日時540日以上
※2017年1月実施の試験より実務者研修の修了が必須

〇解答方式の違いによる難しさ
ケアマネ試験と介護福祉士試験では、解答方式が違います。
ケアマネ試験の「五肢複択」とは、1つの問題に解答の選択肢が5つあり、その中から適切なものを複数選ぶ方式です。
※ケアマネ筆記試験では2つ、もしくは3つです。
一方で、介護福祉士試験の「五肢択一」とは1つの問題に解答の選択肢が5つあり、その中から適切なものを1つ選ぶ方式です。

「複択方式」では、幅広い知識と正確な知識がないと解答できないこともあったりもします。解答を導き出す難しさはケアマネ試験の方が高いと言えます。また、選択した解答が1つでも間違ってしまうと点数にはならないので、ケアマネ試験の方が点数を獲りづらいかもしれませんね。

〇試験時間の違いによる難しさ
介護福祉士試験の方が試験時間も長く、出題数も多いです。そのため、介護福祉士試験の方が集中力が必要とされる難しさがあるのではないでしょうか。また、1問の解答にかけられる時間も介護福祉士試験の方が2分弱程度と、若干ですがケアマネよりも解答スピードも求められる試験になっています。

〇受験資格の違いによる難しさ
ケアマネと介護福祉士では、受験資格である就業期間に2年(※注)もの違いがあります。受験資格を得るまでの労力でケアマネ試験の方が難しいのではないでしょうか。
(※注)介護福祉士として新卒採用された方は該当するが、そうでない方は3年と8年で5年の差

介護福祉士について詳しく知りたい方は<『介護福祉士になろう』のページをご覧下さい。

その他の介護・福祉資格とケアマネ試験の難易度の違いは?

〇社会福祉士との難易度の違い
社会福祉士の合格率はここ数年26〜27%程度で、数字を見ると合格率が20%を切るケアマネ試験の方が難しいのではと感じると思います。

合格基準も、社会福祉士は正答率60%が基準となるのに対して、ケアマネは正答率70%が基準となります。試験の難易度はケアマネが上といえるでしょう。

しかし、社会福祉士の方が基本的には受験資格の基準が厳しいので、その分試験の難易度は抑えている面もあるかもしれません。社会福祉士は出題範囲が広い為、難しいですが、その点ではケアマネ試験は狭く深くなるイメージです。
ちなみに、社会福祉士資格はケアマネ資格と違い、国家資格です。

〇精神保健福祉士との難易度の違い
ケアマネ試験よりも試験科目が多く16科目全てで得点が必要です。そのため、精神保健福祉士の方がまんべんなく点数を獲らなければならない難しさがあります。

また、試験会場も住んでいる都道府県以外で選択可能ですが全国で7箇所しかないため、場合によっては受験しづらいことがあるかもしれませんね。

社会福祉士について詳しく知りたい方は『社会人から社会福祉士を目指そう』のページをご覧下さい。

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監修者について

田中健

田中  健 Tanaka Ken

高知県大月町生まれ。
●社会福祉法人 足立邦栄会 所属
●東京未来大学福祉保育専門学校 非常勤講師
●一般社団法人 日本アクティブコミュニティ協会 公認講師
●東京都高齢者福祉施設協議会 ケアマネジメント支援委員会 委員

【保有資格】
●介護支援専門員
●介護福祉士
●レクリエーション介護士2級
●同行援護 一般課程
●社会福祉主事
●認知症介護実践者研修
●キャラバンメイト
●介護予防運動指導員

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