ケアマネジャー(介護支援専門員)に向かない人の特徴3選!診断方法も紹介

ケアマネジャー(介護支援専門員)に向かない人の特徴3選!診断方法も紹介

更新日: 2024/07/05

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青木 直士

この記事を書いたのは

介護福祉士:青木 直士

神奈川県横浜市生まれ
高校卒業後、専門学校に通い介護福祉士を取得。20代の間は特別養護老人ホームや介護老人保健施設、グループホームで勤務。特別養護老人ホームではユニットリーダーを経験。1年半病気を患い現場からは離れてしまったが、現在はフリーランスとして活動中。Webサイト運営に悩む企業のお手伝いをしております。

はじめに

ケアマネジャー(介護支援専門員)に向いていない人はどんな人なのか知りたい」
「自分がケアマネジャーに向いているのかどうかを知りたい」
「ケアマネジャーの資格を取得すべきか悩んでいる」

これらの悩みを抱えている方々に対して、介護福祉士として9年間勤務した私の経験を元に、ケアマネジャーに向かない人の特徴を解説します。

記事を最後まで読むと、自身がケアマネジャーに向いているのか判断できるようになるはずです。ぜひ、最後までご一読ください。

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ケアマネジャー(介護支援専門員)に向かない人の特徴

高齢女性と歩く男性介護士と女性介護士

ケアマネジャーに向かない人の特徴は、以下の3つです。

それぞれの特徴について解説します。

自身のこだわりが強い人

ケアマネジャーは、さまざまな利用者のニーズに対応する能力が求められる職種です。
自身の信念や考え方に固執せず、利用者の視点から物事を考える柔軟性が必要となります。

たとえば、「この方法が最善だ」と強く信じ、利用者を支えたいという意気込みから、自己の主張が中心になりすぎる人は、ケアマネジャーに向いていません。
また、利用者やその家族、医療・福祉スタッフとの協力関係を築くには、他者の意見を尊重し相互理解を深めることが不可欠です。

自己のこだわりが強すぎて柔軟性に欠ける人は、ケアマネジャーとしての役割を十分に果たすことが難しくなるかもしれません。

臨機応変に対応ができない人

ケアマネジャーの業務は、日々変化する利用者様の健康状態や生活状況に応じて、適切なサポートを提供することが求められます。
介護現場では、予想外の事態が頻繁に発生するため、それぞれの状況に応じて臨機応変に対応できる能力が重要です。

利用者様の状態が急変した場合、早急にケアプランの変更が必要となることがあります。
そのような時、サービス担当者会議の準備や出席者の招集など、ケアマネジャーの役割が重要となります。

予定通りに物事が進まない状況にパニックになる人や、変化に対応するのが難しい人にとっては、ケアマネジャーとして続けるのは難しいでしょう。

利用者様とその家族主体で物事を考えられない人

ケアマネジャーは、利用者様とその家族の生活の質向上を担当しています。
そのため、利用者様とその家族主体で物事を考え、計画を立て、実行する能力がケアマネジャーには不可欠です。
必要に応じて利用者の自宅に出向き、生活状況や困りごとを観察し、聞き取り調査を行い、ケアプランを作成します。

しかし、自己中心的な視点や考え方を持つ人や、自身の専門知識や経験を優先してしまう人は、利用者様とその家族の視点から物事を考えることが難しいかもしれません。
たとえ専門知識や経験が豊富であっても、利用者様やその家族の立場に立ったサービス提供に直結しなければ、ケアマネジャーとしての役割を果たすことはできません。

ケアマネジャーに向いている人の特徴

白衣を着た笑顔の女性

ケアマネジャーに向いている人の特徴についても、5つ解説します。

スケジュール管理が得意な人

スケジュール管理が得意な人は、ケアマネジャーに適しています。
なぜなら、ケアマネジャーはケアプランの作成や見直し、サービス担当者会議など、一日の中で多くの業務を効率よくこなす必要があるからです。
さらに、施設ケアマネジャーであれば、介護業務の補助や施設の事務作業を任されることもあります。

多くの仕事を同時にこなす能力が求められ、細かい部分までタスクを振り分けて仕事をこなせる管理力がある人に最も向いています。

コミュニケーションを取るのが得意な人

ケアマネジャーは、コミュニケーションを得意とする人に最適な職種です。
利用者様やその家族、他職種の人々とのコミュニケーションを通じてケアプランを構築します。
コミュニケーションを得意とする人は、利用者様やその家族のニーズや悩みを深く理解し、適切なサービスを提供することが可能です。

加えて、他の専門家との連携もスムーズに進められるため、チーム全体が一丸となって利用者様を支えられます。

新しい情報を常に収集して柔軟に対応できる人

利用者様の状況は日々変化します。
ケアマネジャーとして、異変があった場合には情報収集と分析を行い、結果を他職種と相談した上でケアプランを策定しなければなりません。
そのため、常に利用者様の情報を収集し、柔軟に対応可能な人材が適任です。

特に福祉や医療の分野では、新しいサービスや制度が頻繁に導入されます。
それらを正確に把握し、利用者様にとって最善の選択を提案することが求められます。
新しい情報を常にキャッチし、柔軟に対応可能な人材こそが、ケアマネジャーとしての役割を果たせるはずです。

的確な質問ができる人

利用者様のニーズや家族の要望を汲み取るために、的確な質問ができる能力は大切なスキルの1つと言えます。
利用者様やその家族、関連する医療・現場の介護職員から情報を得る際に、的確な質問を通じて現在の状態や意見、感情などを正確に把握できます
質問から得た情報は、適切なケアプラン策定の重要な基盤となります。

その場で思いついた質問をするのではなく、事前に質問をリストアップしておくことが大切です。
また、必要な情報はメモに記録し、それをもとに質問を行うことを心掛けましょう。

基礎的なパソコンスキルを身につけている人

ケアマネージャーの仕事は主にデスクワークであるため、基礎的なパソコンスキルを身につけている人におすすめです。
特に、WordやExcelの基礎的な操作を身につけていると、業務を効率的にこなせます。

たとえば、利用者の情報をExcelにまとめておくことで、管理と更新が適切に行えるだけでなく、ケアプランの改善も容易になります。
また、ビデオ会議ツールやメールを用いて情報共有する際に、データの送信が業務の効率化につながるでしょう。

ケアマネジャー経験者の声

ケアマネジャーとしてのご経験を持つ2名に、「どのような人がケアマネジャーに向いているのか」をお伺いしました。

田中 健

※監修者:ケアマネジャー田中さんのお話
「介護分野に留まらず楽しみながら学び続けられる」「ひとつひとつの出会いを大切にできる」、そのような方も素敵なケアマネジャーになれるのではないでしょうか。

ケアマネジャー田中さんのインタビュー全文はこちらから

麦マネさん画像

※ケアマネジャー:麦マネさんのお話
介護現場の苦労を分かる人がケアマネジャーに向いていると思います。
現場に歩み寄る姿勢が持てることが大事だと思います。

ケアマネジャー麦マネさんのインタビュー全文はこちらから

ケアマネジャーに向いている人の診断方法

「ほんとうに自分がケアマネジャーに向いているのかわからない」という最後の一押しが欲しい方に向けて、ケアマネジャーの適性をチェックできる診断方法を2つ紹介します。

Questi職業適性診断シリーズ

Questi職業適性診断シリーズのWEB掲載画面

参照:Questi職業適性診断シリーズ

運営会社 株式会社Questi
利用料金 無料
質問数 10問

株式会社Questiが提供する職業診断シリーズでは、ケアマネジャーの適性診断を実施します。
診断は10個の質問に回答するだけで、2分間で診断結果が表示されます。
コミュニケーション能力や判断力についての質問があり、「そう思う」か「思わない」の5段階のうちから選択するだけです。

10個の質問に回答すると、ケアマネジャーに適しているかどうか、職業適性度が表示されますので、参考にしてください。

介護支援専門員の適性度テスト

適性度テストのWEB掲載画面

参照:介護支援専門員の適性度テスト

運営会社 不明
利用料金 無料
質問数 15問

介護支援専門員の適性度テストでは、15個の質問に回答するだけで、ケアマネジャーとしての適性があるかどうかを診断してくれます。

質問内容は、「人の意見を最後まで聴ける」や「学生時代の宿題は、期日までに提出した」など、独特なものが含まれます。
介護支援専門員の適性度テストも無料なので、Questi職業適性診断シリーズとあわせて利用してみてはいかがでしょうか。

ケアマネジャーに必要なスキル

高齢女性にパソコンを見ながら案内する女性

ケアマネジャーに必要なスキルは、以下の4つです。

それぞれの内容を詳しく紹介します。

コミュニケーション能力

ケアマネジャーの役割は、利用者を中心とした多職種間の調整や連携を行うものであるため、コミュニケーション能力は欠かせません。
単に情報を伝えるだけでなく、相手の意見を理解したり、共感したりする聞く力も重要です。

コミュニケーション能力は、利用者様とその家族のニーズや願望を正確に理解し、適切なケアプランを立案するために重要です。
また、適切なサービスを提案することで、利用者様との信頼関係を築けるでしょう。

ケアマネジャーは、現場の介護職員や看護師などと頻繁にコミュニケーションをとります。
これにより、利用者様に最適なケアを提供するための連携が可能となり、情報収集も効率的に進められます。
コミュニケーション能力は、常に磨き続けるべきスキルです。

スケジュール管理能力

ケアマネジャーは医療や福祉サービスの提供日時の設定、利用者様のご自宅訪問、ご家族との面会など日々多忙です。
そのため、スケジュール管理能力が重要です。

たとえば、サービス担当者会議を実施する際には、介護職員のシフトを把握しつつ、計画と調整を行う必要があります。
また、利用者様が入院などで急遽状況が変わった場合、スケジュールの見直しと調整を柔軟に行う能力も求められます。

ケアマネジャーとしてのスケジュール管理能力を高めることは、利用者様へのサービスの質を向上させると共に、全体の介護サービスの運営を円滑に進めるためには不可欠です。

知識と経験から基づいた判断能力

ケアマネジャーは、利用者の状況や要望を理解し、適切なケアプランを計画・実施します。
そのためには、ケアマネジャーとしての豊富な経験と知識に基づいた判断能力が必要です。
利用者の健康状態や生活環境によっては、自身の経験や他者から学んだ知識を応用し、独自の判断を行うこともあります。

判断能力を鍛えるためには、経験を積むことが最も有効です。
問題を解決するためには、さまざまな状況に直面し自身の知識と経験を身につけていきましょう。

事務処理能力

ケアマネジャーの仕事は、利用者のケアプラン作成や他職種との調整だけでなく、多くの事務作業も含みます。
したがって、「事務処理能力」はケアマネジャーに必要なスキルの一つと言えるでしょう。

具体的には、以下のようなタスクを担当します。

  • 利用者の記録管理
  • 書類作成
  • データ入力
  • スケジュール管理
  • 施設ごとの業務調整

これらのタスクは、勤務する施設によって異なります。
事務処理能力を身につけることで、ケアマネジャーとしての業務をスムーズに進め、自身の業務に集中することが可能となります。

ケアマネジャーになるには

ケアマネジャーになるには、以下の法定資格のうち1つを取得したうえで、5年以上の実務経験または、従事した日数が900日以上を満たさなければなりません

医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、管理栄養士(栄養士を含む)、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、精神保健福祉士

ただし、上記の国家資格を保有していなくても、相談援助業務に従事した期間が5年以上かつ従事日数が900日以上であれば、ケアマネージャー試験に受験できます
対象となる相談援助業務は以下のとおりです。

  • 生活相談員
  • 支援相談員
  • 相談支援専門員
  • 主任相談員

ケアマネジャーの主な仕事内容

ケアマネージャーの主な仕事内容は、以下のとおりです。

  • ケアプラン作成
  • モニタリングの実施
  • サービス担当者会議の出席
  • 国民健康保険団体連合会(国保連)に対して介護給付を請求
  • 要介護認定の実施

施設ケアマネジャーになると、上記の業務に加えて、電話対応や面会者対応など事務作業も追加されます。

詳しくは「ケアマネジャー(介護支援専門員)の仕事内容とは?施設と居宅の役割を解説」で解説していますので、ぜひご一読ください。

ケアマネジャーの年収

貯金箱と給料

厚生労働省が令和4年4月に行った「令和4年度介護従事者処遇状況等調査」によると常勤のケアマネジャーの平均月収は37万6,240円と発表されています。
平均月収をもとに手取り額を計算してみました。

平均給与額 376,240円
健康保険料 8,670円
介護保険料 0円
厚生年金保険料 34,770円
雇用保険料 2,257円
所得税 10,140円
住民税 17,600円
手取り額 292,473円

参照:給与手取り額計算ツール

ケアマネジャーの平均年収から手取り額を算出すると、292,473円です。
この金額は、年齢や経験、地域などによって大きく異なります。
他の介護関連資格とケアマネジャーの年収比較は、「ケアマネジャー(介護支援専門員)の年収は給与は429万円!さらにアップもできる?」で解説していますので、ぜひご一読ください。

ケアマネジャーに向かない人に関するよくある質問

ケアマネジャーに向かない人に関するよくある質問に回答します。

ケアマネジャーの仕事に需要や将来性はありますか?

ケアマネジャーは、以下の理由から需要や将来性が見込まれます。

  • 介護職員処遇改善加算による給料アップ
  • 高い有効求人倍率により企業からの需要がある
  • ケアマネジャーの年収が500万円に届くような方針が表明されている

以上の理由から資格を取得すれば、さまざまな施設で活躍できると考えられます。

ケアマネージャーと介護福祉士の試験はどっちが難しい?

ケアマネジャーと介護福祉士の試験は、ケアマネジャーの方が難しいです。
実際に直近5年間の合格率を見ていきましょう。

ケアマネジャー 介護福祉士
19.0%(2022年) 84.3%(2023年)
23.3%(2021年) 72.3%(2022年)
17.7%(2020年) 71.0%(2021年)
19.5%(2019年) 69.9%(2020年)
10.1%(2018年) 73.7%(2019年)

ケアマネジャーの合格率が平均10%〜20%に対して、介護福祉士の合格率は70%〜80%と高めです。
上記の表から、ケアマネジャーの試験の方が難しいことがわかります。

まとめ:ケアマネジャーは中間に立って良いケアを提供すること

ケアマネジャーに向かない人についての解説は以上となります。
ケアマネジャーは、介護職や他職種の意見を統合し、利用者様に良いケアを提供するためにはどうすれば良いかを考える職種です。

そのため、利用者様とその家族の生活を最優先できる人が、ケアマネジャーに向いています。
作成したケアプランによっては、介護職から「対応できない」と言われたり、家族からクレームを受けることもあります。
そうした困難な事態が発生しても、コミュニケーション能力とこれまでの経験を活かして、良いケアを提供できることでしょう。

今回の記事を参考に、ぜひケアマネジャーを目指してみてください。

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