少子高齢化に伴い労働力不足・人材不足が深刻化する日本の介護業界では、政府が介護人材の確保策として外国人人材の受け入れを推進しています。
2023年3月付けの厚生労働省の資料によると、2023年時点で介護分野で働く外国人の在留者数は約4万人です。
本ページでは外国人の方向けに、介護職として働くための制度や介護スクールで学ぶ外国人受講生の声、外国人を積極的に受け入れている介護スクールの情報をまとめてご紹介します
外国人が日本で介護職として働くためには、適切な在留資格が必要です。
現在、外国人介護人材を受け入れる仕組みとしては、「EPA(経済連携協定)」「在留資格『介護』」「技能実習」「特定技能」の4つの制度があります。それぞれの特徴を見てみましょう。
【クリックして拡大する】 EPAとは、国や地域間で貿易・投資などを促進するための協定です。日本ではインドネシア・フィリピン・ベトナムの3か国との協定に基づき、介護福祉士候補者を受け入れています。
各国の要件に沿って、日本語研修を受けた人材が来日し、介護施設で働きながら国家試験合格を目指します。入国4年目に介護福祉士の国家試験を受験し、合格すれば在留期間を更新して継続就労できますが、不合格の場合は帰国しなくてはいけません。
外国人が介護福祉士として日本で働くための在留資格です。日本の介護福祉士養成校を卒業し、国家資格を取得した外国人留学生は「介護」ビザを取得できます。
家族の帯同も認められ、在留期間の更新制限もありません。また、令和2年4月以降は、実務経験を経て介護福祉士資格を得た人も対象となりました。専門的・技術的分野での受入れを目的とする制度として、長期的に日本での就労が可能です。
技能実習制度は、発展途上国の人材に日本の技能を移転し、母国の発展に貢献することを目的としています。介護分野では、外国人実習生が最長5年間、日本の施設でOJTを通じて学びます。
入国後は日本語と介護の基礎等に関する講習を受けてから、入国1年後の試験に合格すると追加で2年、3年後の試験に合格するとさらに2年、実習を受けることができます。期間満了後は帰国して母国で活躍しますが、実習中に介護福祉士資格を取得すれば、「在留資格『介護』」へ変更し、日本で引き続き働くことも可能です。
特定技能制度は、人手不足が深刻な業種において、一定の技能と日本語能力を備えた外国人材を受け入れる仕組みです。
介護分野では、技能・日本語試験に合格した人材を最長5年間受け入れることができます。期間終了後は帰国となりますが、「技能実習」と同様に介護福祉士資格を取得すれば「在留資格『介護』」に移行でき、日本で長期的な就労が可能になります。人材確保と技能定着を両立させる制度として期待されています。
▼介護分野の外国人受入実績
| 在留資格 | 受入実績 |
|---|---|
| EPA介護福祉士・候補者 | 在留者数:3,257人(うち資格取得者635人) ※2023年1月1日時点(国際厚生事業団調べ) |
| 在留資格「介護」 | 在留者数:5,339人 ※2022年6月末時点(入管庁) |
| 技能実習 | 在留者数:15,011人 ※2022年6月末時点(入管庁) |
| 特定技能 | 在留者数:17,066人 ※2023年1月末時点(速報値)(入管庁) |
介護職を目指す外国人の増加に伴い、その受け皿となる介護スクールの数も年々増加しています。
外国人受講生の皆さんは教室でどう学んでいるのか?実際に多数の外国人受講生を受け入れている三幸福祉カレッジさんの実務者研修にお邪魔し、現役受講生の皆さんからお話を伺ってみました。
現場で感じた 「リアルな学びの様子」をまとめていますので、これから介護を学びたい方の参考になれば幸いです。
直接お話をお聞きして、外国人受講生の方の真面目さと学習に対する熱量にまずは驚きました!
介護分野での技能実習は他業種よりも要件が厳しく設定されており、
これらを満たしていなければならないとのこと。 そのため、受講生の方たちは日本に来る前から介護についての基本を学んでおり、授業にも比較的スムーズに取り組めるそうです。 それでもやはり異国でその国の言葉で勉強するのは簡単なことではありません。皆さん将来の介護福祉士合格を目指してぜひ頑張ってほしいです!
三幸福祉カレッジの情報を詳しくみる!外国人の方も安心して学べる介護スクールをご紹介します。クラスの様子や国籍別の実績、学びやすさへの工夫など、スクールの声をまとめました。
三幸福祉カレッジでは、授業で使用するテキストや課題にふりがなを付けるなど、学習しやすい環境づくりに取り組んでいます。
さらに、自宅学習の進め方や通学講習時の持ち物、修了までの手続きなどを説明した動画も用意されており、受講前の不安を軽減できるサポート体制が整っています。
こうした取り組みは、日本語に不慣れな外国籍の方でも安心して受講できますね。
三幸福祉カレッジに取材!Q&A形式でご紹介
Q.外国人の方の受講条件はありますか?
ありません。どなたでも受講することができます。
Q.クラス内の日本人と外国人の比率はどれくらいですか?
クラスによって異なりますが、日本人8割、外国人2割ほどです。
Q.どこの国籍の方が多いですか?
インドネシア・ミャンマー・ベトナム・フィリピン・ネパールなど様々な国籍の方が受講しています。
Q.外国人受講生への印象やエピソードなどはありますか?
みなさん、明るく一生懸命授業を受けていただいています。日本人の受講生とも積極的にコミュニケーションをとり、お昼ご飯を一緒に食べたり、授業中は質問をしあったりしていて、楽しく受講していただいています。
Q.外国人受講生へ授業を行う際に気をつけていることはありますか?
講師は「やさしい日本語」を勉強し、どなたにでもわかりやすく伝わるように心がけて授業をしています。わからないことがあれば、安心して講師に質問してください。
Q.外国人受講生が学びやすくなるために行っている工夫などはありますか?
教材などはすべてふりがながついています。また、通いやすい教室で勉強できるように、全国でたくさんの教室を準備しています。
そして教室に迷わず来られるように、教室への道順をわかりやすくホームページで案内しています。
Q.外国人受講生を対象に今後行いたい取り組みはありますか?
実務者研修は介護福祉士国家試験に合格するための一つの過程です。受講していただいたみなさんが国家試験に合格できるように、受験のサポートも今後は力を入れていきたいと思っています。
一人でも多くの方が、介護の仕事を楽しいと思いながら働き続けられるように、これからもサポートしていきたいです。
湘南国際アカデミーでは、外国人受講生が安心して学べるよう、言語サポートを取り入れた介護職員初任者研修を提供しています。 介護の基本的な技術や知識に加え、日本の介護現場で求められるマナーや文化理解まで学べる点が大きな特徴です。 異文化の環境で介護分野のキャリアをめざす方に向けて、基礎から丁寧に学べる環境が整っており、これから介護の仕事を始めたい外国人受講生を手厚くサポートしています。
湘南国際アカデミーに取材!Q&A形式でご紹介
Q.外国人の方の受講条件はありますか?
特に外国人だからという条件はなく、日常会話程度の日本語が理解でき、読み書き(フリガナ付き)ができる方であれば、後は日本人受講生と同じです。
留意点として、受講は満16歳以上の方が対象です。また、妊娠されている方は母子保護の観点から受講ができません。
Q.クラス内の日本人と外国人の比率はどれくらいですか?
クラスや受講時期によって多少の違いはありますが、毎期1〜3名ほど外国籍の方が参加されています。
国籍や背景に関わらず、みなさんが安心して学べるようサポート体制を整えていますので、ご自身のペースで受講いただけます。
Q.どこの国籍の方が多いですか?
ベトナム、インドネシア、ミャンマー、ネパールをはじめ、中国やフィリピンなど様々な国の方がご受講されています。
Q.外国人受講生への印象やエピソードなどはありますか?
・授業初日の朝に不安そうな表情をされている方々も、受講を進めるごとにクラスメイトと打ち解け合い楽しそうに過ごされる姿がよく見られます。
・熱心に受講されている外国人受講生さまに刺激を受け、日本人のクラスメイトの方々が、より学びを深められる場面が印象的です。
Q.外国人受講生へ授業を行う際に気をつけていることはありますか?
当校の講師は外国人受講生の方々への授業に慣れていることもあり、板書でふりがなを振る、わかりやすい言葉で授業をすることはもちろん、グループワークの際なども配慮をしながら授業を進めています。
Q.外国人受講生が学びやすくなるために行っている工夫などはありますか?
・通信添削課題や筆記評価に不安を感じている方々が多いですが、当校では全ての教材にふりがなが付いており、筆記評価の事前に模擬試験で練習ができるので、外国人受講生の方々も含め皆さまが修了し資格を取得されています。
・受講に不安を感じている方には、事前説明会で通信添削課題の見本を確認いただいたり、実際の授業の見学をしていただいています。
・受講サポートは、電話、メール、LINEでもお受けしており、質問をしやすい体制を整えています。
Q.外国人受講生を対象に今後行いたい取り組みはありますか?
研修修了後にクラスメイトと集まれる同窓会の開催や、介護に関する日本語講座の開催を考えています。
クリエ福祉アカデミーでは、初任者研修・実務者研修ともに外国籍受講生が年々増えており、受講前には電話相談や教室見学、LINEのチャットで説明動画を公開しているなど受講の流れを丁寧に案内しています。
調布・国分寺校はいずれも駅近で通学しやすく、ホームページは多言語対応。テキストや課題は総ルビ付きで、受講中・通学中も職員や講師がしっかりサポートします。
クリエ福祉アカデミー取材!Q&A形式でご紹介
Q.外国人の方の受講条件はありますか?
@日本語でコミュニケーションが取れること。
Aルビ付テキストが読めて意味が理解できること
・初任者研修では課題を日本語で書く必要ががあります。
・実務者研修の課題は日本語の文章5つの中から正しいものを選ぶ、スクーリングでは日本語を読み取る、書き込む、実践する(話す)必要があります。
Q.クラス内の日本人と外国人の比率はどれくらいですか?
初任者研修は約10%(直近1年)、実務者研修は約13%(直近1年)となっています。
Q.どこの国籍の方が多いですか?
ベトナム・フィリピン・中国・インドネシア・ミャンマーなど様々な国の方が受講されています。
Q.外国人受講生への印象やエピソードなどはありますか?
実務者研修では介護福祉士に合格し長く日本で働きたいと意欲的な方が多く、通学も熱心に受講されている印象です。
初任者研修も実務者研修も通学最初は緊張されているようですが、同じクラスの方々がフォローして下さる様子が見られます。
グループワークやディスカッション、介護技術の演習を通じて通学の後半には皆さんとも打ち解けて笑顔が見られます。
Q.外国人受講生へ授業を行う際に気をつけていることはありますか?
テキスト・通信課題・配布資料は総ルビ付となっていて、講師が直接指導しやすい1番前の席をご用意しています。(指示したところにきちんと書き込めているか、テキストのページが探せているかなど)
また、難しい用語も、分かりやすい日本語に言い換えて説明するように心掛けています。
実務者研修の医療的ケアなどは通信課題の他に予習の動画をみてイメージをつかんでいただきます。
Q.外国人受講生が学びやすくなるために行っている工夫などはありますか?
調布校は基本的に職員がおります。困ったことや、わからないことがあった時は丁寧に対応いたします。(国分寺校は日によって職員不在の時があります)
また、通信課題(自宅学習)が不合格でも、合格するまでアドバイスします。
Q.外国人受講生を対象に今後行いたい取り組みはありますか?
既に一部実施していますが、安心してご通学いただくために申込前に教室・授業見学を行い、使用テキストや課題サンプルを実際ご覧いただいて、ご自身で学習可能かご判断いただきます。ご納得いただいてからお申込みを受付いたします。
今回の取材を通して、外国人受講生は「安全性」「働きやすさ」「学びやすい環境」を理由に日本で介護を学ぶ道を選んでいることが分かりました。 言語の壁はありつつも、ふりがな付き教材や講師のやさしい日本語による授業で、安心して学べる環境が整っています。 また、演習やグループワークを通じて交流が深まり、どのスクールでも楽しそうに過ごされている姿が印象的でした。 今後も各スクールでは介護福祉士をめざす受講生へのサポートを強化していくとのことで、外国人受講生の方も安心して受講できるでしょう。
BrushUP学びはスクールや学校、講座の総合情報サイト。
最安・最短講座や開講日程、分割払いなどをエリアごとに比較して無料でまとめて資料請求できます。
まずは近くのスクールをチェックしてみてくださいね♪
平日なら電話での請求も可能です。
\講座を比較して選ぼう!/
初任者研修の講座を資料請求(無料)